てつねこくおりてぃ

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【エッセイ】てつねこの庭「ツルアジサイ1」

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先日、通販で注文していたツルアジサイが届いた。

ツルアジサイは、日本の山などで自生する植物で、幹や枝から気根を出して、高木や岩崖に付着して、絡みながら這い登り、高さ15~20mくらいになるそうだ。春には、白い紫陽花のような花を咲かせる。
これを、我が家の裏の石壁の足元に植え、上へ上へと這わせ、春には花を愛でようという目論見だ。

 

さて、届いたツルアジサイは、通販サイトで写真を確認して注文していたのだが、箱を開けてびっくり、わずか10センチほどで、写真にある姿をはるかに下回る可愛い苗だった。

こんな小さい子が、本当に20メートルも成長するのだろうか。にわかに信じがたい。背丈だけではない、葉にしたって、写真で見る大人の(?)ツルアジサイの葉と比べると、これもはるかに小さい。背丈が伸びれば、葉も大きくなるのだろうか。

 

それにしても、背丈が10センチほどのツルアジサイの子に対して、立ちはだかる我が家の石壁の高さはなんと4メートルあまり。私でいうと身長約165センチに対して、壁の高さ66メートルだ。もはや望的な高さである。

しかも、私は、大きくなぁれ大きくなぁれと、日々水やりに勤しんでいる。小さいツルアジサイからすると相当なプレッシャーであり、パワハラもいいところである。

私は、なんという試練をこの小さな苗に与えてしまったのだろうか。

 

いやまて、この小さな苗には、4メートルをはるかに超えて20メートルに成長する可能性を秘めているのだ。私の身長が66メートルになるとか、私が66メートルの壁をよじ登るとか、そういうありえない話とは異なる。ツルアジサイはできる子なのである。

 

さあ、ツルアジサイよ、大きくなるのだ。

私は心を鬼にして、ツルアジサイを庭へ植えた。それが上の写真だ。根元も大きくなることを想定しつつ、とはいえやっぱり、少しでも早く石壁に届くように、石壁から10数センチほどの微妙な距離をとって植えた。

植えたそばから、このつるが伸びて、無事石壁にたどり着くだろうかと、気が気ではない。

 
さあ、ツルアジサイよ、大きくなるのだ。

あの冷たくそびえ立つ石壁を、つややかな緑の葉で飾り、春には柔らかな光を放つ白い花を咲かせておくれ。 

 

私は、水をやり、時には肥料を施し、愛情を注ぎつつ、私も共に生きて、その姿を見届けることを、この可愛い苗に誓った。

 

 

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