てつねこくおりてぃ

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【エッセイ】父との思い出

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今日は、父との思い出をテーマに語ってみたいと思う。

語ってみたいのだが、これといった語れるような思い出が1つもない。何か1つくらいあっても良さそうなのだが、本当に1つもない。

なぜだろう。私は、父に良い思い出を期待しすぎているのだろうか。

 

じゃあとりあえず、とにかく思い出せることの中で、楽しかったことを書いてみよう。

私が小学生くらいの時、我が家では、毎週日曜日の晩御飯時に、クイズ番組を見るのが恒例だった。家族揃ってちゃぶ台を囲み、それぞれが回答し、当たったの外したので、家族みんなで盛り上がった記憶がある。

あ、これは父の思い出ではなくて、家族の思い出か。

だめだ、次。嬉しかったことを書いてみよう。

あれは確か、私が、(1回目の)結婚をした時のことだった。なぜか父が指輪をプレゼントしてくれた。それには、手紙が添えられていて、「あなたには何もしてやれませんでした。」というようなことが書いてあったような気がする。全くその通り、よくわかっていた父であった。

よし、次。面白かったことを書いてみよう。

あれも確か、私の(1回目の)結婚式のことだった。父が、母を通じて、お式で歌を歌いたいといってきたが、ややこしいので聞かなかったことにしていた。しかし当日、父は、勝手に司会者に頼み、歌の出番を確保していた。しかも、歌い出したら、それは替え歌になっていて、私へのメッセージソングだった。

花嫁の父が替え歌を披露するお式なんて、聞いたことがない。なんだあいつは。

いいぞ、次。好きだったことを書いてみよう。

何1ついいところなしの父だったが、母のことは好きだったらしい。いつも母のことは可愛い可愛いと言っていた。子の私から見ても、お世辞にも可愛いとは言い難い母でああるが、本気で可愛いと思っている口ぶりだった。母への接し方にかなりの問題はあったものの、母を可愛いというところは、唯一と言っていいくらい好きなところだ。

 

 

ちなみに、嫌だったこと、辛かったことは、この100倍くらいはある。どうやら、暗い思い出の向こうに、チラチラといい思い出も混じっているようだ。それは、川で砂金を探す行為に近い。残念だ。

 

お酒ばかり飲んで、家族を困らせ、家族にいい思い出も残せなかった父は、どうしてあんな生き方しかできなかったのか、私には不思議でならない。何が楽しくて、あるいは何が辛くて、あんなにお酒を飲んでいたのか、全く理解に苦しむ。

もしかしたら、父本人にもその答えは、わからないのかもしれない。まあ、その答えを聞こうにも、父に、もう聞くこともできない。

いつか私が天国に行ったら聞いてみたいけど、その時はどうか、お酒を飲んでいない父に会わせてほしい。普通でいいから、普通に話がしたかった。

 

 

 

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