てつねこくおりてぃ

私の好きなことを書くブログ

【エッセイ】あなたとハグ

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「そういえば、この前3人で会ったの、いつだったっけ。」

久しぶりに友人と集まるといつも、この会話から始まる。そうして振り返ってみるけど、なかなか思い出せなかったりする。それもそのはず、前に会って以来、2、3年経っているということが多い。

そして、時間の経つは本当に早いねーと驚く。いつものことだ。

私たちの学生時代とは異なり、年々連絡手段も豊富になって、今じゃスマホ一つで簡単に連絡を取り合えるようになった。それなのに、「また会おうね」「うんうん。会おう会おう。」とメッセージを送り合っていても、いつでも会えるという軽い気持ちで、約束は先延ばしになってしまう。

これまでは、それでもよかった。しかし、私も友人もいい歳になった。これからも友人たちと数年おきに会うとなると、死ぬまであと何回会えるのだろうか。そう思うと、なんだかぼやぼやしていられないぞと、焦ってきた。とはいえ、私も友人もそう簡単には会えないというのも現実だ。冬は寒いし、夏は暑い、やっぱりなんだかんだで、会うのは先延ばしになってしまうのだ。

 

そこで私は、一回一回の会う機会を、これまで以上に大切にすることにした。まず、久しぶりに会えた友人には、ちょっとお袈裟だけど、ここまで生きて、また会えたという奇跡を共に分かち合いたいと思う。具体的には、うーんとそうだな、「また会えてよかった」「元気でよかった」と言葉で伝えよう。

そしてそうだ、別れ際には、ハグしよう。「また会おう、必ず。そして元気で。」と心を込めて。

とまあ、勝手にハグをすることにした私だったが、現実はそうはいかない。なんてったって照れ臭いのだ。ハグなんて友達にしたことないもん。

 

先日、この話を久しぶりにある友人にしてみた。

「この先また、いつ会えるかどうかわからないし、これから先会う友達には、別れ際にハグしようと思う。」

友人は、私がまたおかしな話を始めたなと、笑って聞いてくれていたけど、やっぱり言ったそばから恥ずかしくなった。

「まあでも、ハグは恥ずかしいから握手にしようかな。」

とお茶を濁してみたけど、恥ずかしすぎて上手くいかなかった。ハグする前から言葉にしただけで照れ臭かった。これが昭和の日本人だね。

そうしたら、帰りがけ、

「私、〇〇ちゃんとなら、ハグできるよ。」って、

ハグしてくれた。初めての友人とのハグは、一緒に時間を過ごした現実感を体感できた。同じ時間を生きてきた実感をお互いに分かち合えたんじゃないかと、

 それでまあ、次に会う友人ともハグを狙っている。でもやっぱり、恥ずかしかったりするので、会うたびにハグハグってつぶやいていたら、友人の方から根負けして、何も言わなくてもハグしてくれるようにならないかな。ハグを申し込んでくれても良い。

そうなのだ、私は待っている。あなたとハグを。