週に一度、整骨院に通っている。
もともと筋力のない私は、仕事が変わった、ストレスが増えた、ランニングを始めたなどなど、体のどこかに負担がかかると、右肩が痛い、腕が上がらない、膝が痛いと体が悲鳴を上げ始める。
そんなわけで、ここ数年、痛くなっては整骨院へ行き、治ったと思ったら、別の箇所が痛み始めるを、1、2年のサイクルで繰り返している。
今はというと、数ヶ月前から、朝起きると顎がガクガクして食事を取りにくくなってしまった。首の疲れを取ろうと始めた自作のバスタオル枕が良くなかったのかとも思ったが、使うのを止めても一向に良くならなかった。
そうこうしているうちに、右肩が痛み始めた。
「顎の違和感は、仕事が変わったせいもあるけど、もともとからの顎の歪みが原因かなぁと思いますよ。」と整骨院の先生。
確かに、数年前から顎の歪みが気になっていたんだった。他にも、口が開けにくいとか、奥歯の噛み締めも気にはしていたけど、特に痛みなどの症状がないので、ほったらかしにしていたのだ。
「顎関節症とまではいかないけど、それに近い状態ですねー。顎関節症は、顎の小さい女性がなりやすいので、美人病と言われてます。」
うむ。美人病。
「先生、その病名いいですね。そのような病名と診断されたことは、広めていきたいと思います。」と私。 先生の苦笑が、耳に伝わる。
「右肩を上に。」と何事もなかったかのように、治療は続く。
「右肩の様子はどうですか。どういう時が1番ツライですか。」
「そうですね。日常生活には、支障がないのですが、服を着るときにイテテテテとなります。」美人病に気を良くした私は、明るく答えた。
「あーそれは、典型的な五十肩の症状ですねー。」
「・・・」無言により不服を伝える。
「あ、えー四十肩の・・・」
「三十肩でお願いします。」
持ち上げられたり、現実を突きつけられたりで、一喜一憂。いくつになっても、若さや美しさへの執着から逃れられないようだ。しかしまあ、いつまで、この一喜一憂を続けていくのだろうか。
以前、一つ年上の女子力高めの友人に、キレイのための努力は、一体いつまで続けるのかと問うてみたことがあった。
「死ぬまで。」と彼女は言う。なんのために、と更に問うと、「自分のため」とさらりと答える。
強いなあ。
誰のためでもなく、ただ自分のためだけに、死ぬまで努力を続けていくなんて、私には途方もないことのように思えた。
この先、一喜一憂が、一喜三憂、そして一喜五憂と、年を負うごとに、がっかりすることの方が、うんと多くなっていくんだろうと思われる。
そうなると、キレイのための努力だけでは追いつかず、受け入れる強さも必要なのかもしれない。
強くない私は、渋々ながら老いも受け入れつつ、せめて一喜二憂くらいになるようにと、ささやかな努力を、続けていくんだろうなあと思う。
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